システム工学、確率過程論
経営システム工学が対象とする諸問題のうち、特に確率現象と結びついた各種確率システムを研究テーマとして取り上げている。そこで研究を進める上で確率論・確率過程論は基礎的な知識として必要となるので、基礎的な知識をしっかり身につけながら研究テーマに取り組むことになる。例えば、駅の窓口などにできる待ち行列の研究にはポアソン過程は不可欠であり、経済データなどの時系列解析には定常過程の知識が必要となる。また、近年ファイナンス分野におけるデリバティブの価格付けには確率微分方程式をはじめとする確率解析は不可欠な道具となっている。確率過程の実現値は一つの時系列であり、それは時間領域のみならず周波数領域などにおける解析も必要となるので、フーリェ解析・ウォルシュ解析・ウーブレット解析なども取り上げる。
時系列解析と予測、ソフトコンピューティングのデータ解析やパターン認識への応用
融通性に富み現実的な問題に対して柔軟に対処できるような情報処理を目指すのがソフトコンピューティングであり、代表的なものとしてニューラルネットワークやファジィ理論がある。これらの技術や理論のデータ解析への応用が研究テーマのひとつである。データ解析以外にも、パターン認識や制御などへの応用も考えられる。また、統計的方法に関する研究、特に時系列解析に関する研究もテーマのひとつである。