ヒューマンメディア工学、感性メディア論、インタラクションメディア論、知識メディア論
ヒューマンメディア工学とは、一人ひとりの人間の主観的な特性を重視した人にやさしいマルチメディア情報処理技術とその体系をいう。このような技術体系を確立するため、以下の3分野の研究を学際的かつ統合的に進めている。
a)感性メディア技術:マルチメディアのような多感覚情報を人間はどのように知覚しているのかを分析し、一人ひとりの主観的な要求に合う多感覚情報を検索・提示することで、人間の豊かな発想や、イメージの共有を支援する技術。マルチメディア情報処理、感性情報処理、パターン認識。
b)インタラクションメディア技術:多感覚情報をシームレスに統合し、効果的な対話環境を実現する技術(マルチモーダルインタラクション)。多様なセンサー技術を利用して、情報機器の操作などを意識しなくても自然な人の動作・姿勢から個人の心理や感性を表明して効果的な対話環境を実現する技術(実世界インタラクション)。一人ひとりの感性を可視化することで的確なコミュニケーション支援を行う技術(感性の可視化)。
c)知識メディア技術: 一人ひとりの感性・知識や行動履歴、TPOに応じて、最適な情報を提供するなど、人にやさしいサービスを実現するための技術。状況理解、知識モデル構築、知識処理・推論、ソフトウェアプラットフォーム。
知能システム工学の研究、知能ロボットシステム構成法の研究
知能システム工学研究の一環として、不確実な環境下で移動ロボットの位置決めを効率よく行うためのセンサプラニングの研究,人間とロボットの協調を目指したヒューマン・ロボットインタフェースの研究、頑健なロボット視覚追跡(ビジュアルトラッキング)の研究などを行ってきた。最近では、人間とロボットの共生空間の知能化を目指して、無線ICタグ等を用いたユビキタス環境の応用システムについて研究を行っている。
知能情報学、知識マネジメント、意思決定支援、ヒューマンインタフェース
従来の情報理論では、「送り手が伝えたいと思う内容をいかに(ノイズなく)正確に伝えられるか」という観点から情報の価値について議論してきたが、実際には、受け手によって情報の価値が異なることが少なくない。庄司研究室では、その時々のコンテキストに応じて、受け手(利用者)にとって価値の高い情報を提供するための方法論やシステムの実現に向けて研究を行なっている。特に、受け手にとっての価値を創成するための効果的な情報提示方法、創造的意思決定の支援手法、インタラクションデザインについて研究している。